ラベル こんなアニメいかが…… の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル こんなアニメいかが…… の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

そういうことだったんですね、“2399日”。……

 

遅ればせながら、皆さん御覧になられましたか?

一週間前12月16日土曜日夜の放送だったテレビ番組、

「プロフェッショナル仕事の流儀 ジブリと宮﨑駿の2399日」。

巷間にずれてやっとのことはいけんいたしました。

それについて、感想みたいなのをちょっと……。


   〇   〇   〇


「君生き」に、あんなにも呪縛からの解放(けりをつける)

込められてたなんて思いもしませんでした。

そういう物語だったんですね。

月刊誌「SWITCH」9月号のジブリ特集に、

大叔父が高畑勲さんであることが(対談記事で)

プロデューサーさんの口から発言にあったのを知ってましたけど……。


わたしが「君生き」の鑑賞で若やかな生の印象にあったのは、

あの作画監督よる線がこれまでのジブリの線を食っちゃうくらい

強いせいだったのかって、答え合わせの気分でした。


美しい世界を作れ」ってところ。それを主人公(=宮﨑駿監督が拒むのは

高畑勲監督との別れ、って意味だったんですね。

美しい世界を作れ、それを拒むのは非現実の中でのそれだからって、

スクリーン上にそう思ってたんですけど。


2399日”、

番組としてどれくらいの編集(演出)が入っているのかわかりませんけど、

たいへん見入るものでした。

ジブリ以前から一緒の二人の関係性に、とりわけ残された一人の居振る舞いに。


  --- --- --- ---


もうちょっとだけ。


「君生き」は、その情報が劇場公開前に徹底した管理にあったわけですけど、

しばらく日月を置いてからちょい深く開示にあって、そうしてから、

関連書籍の発売、そして、2399日”の放送。


そこでふと、2399日”って今観てよかったかな、と少々かしぐ思いが……。

今後「君生き」を鑑賞したなら、2399日”のことを意識してしまうから。

それはそれでいいんです。けど、最初の事前情報なしの味わいを

もうしばらく持続させてもおきたかったかな、とも思ってみたり。


  --- --- --- ---


2399日”では、呪縛からの解放”とともに

宮﨑駿監督の、老い、にカメラが向けられてましたけど、

薪を割る姿に、まだまだ、って見えました。

あと、番組の最後の最後、ナウシカの絵(!!!)を描かれているところにも、

まだまだ、って見えました。


感想みたいなの、おわり。














宮﨑駿監督(左)と高畑勲監督(右)


これはゆっくりじっくりと鑑賞です。……

 

いよいよ発売ですね、11月から12月にかけて

映画「君たちはどう生きるか」関連の書籍。

それはネタバレ防止に慎重を期したことに加え、

そこからの購買意欲を狙った販売戦略なんでしょうね。


その書籍のなかから、手もとで鑑賞したい気持ちで、

これを購入しました。


   〇   〇   〇












2023年 10月31日 初版発行 / 徳間書店 / 4840円(税込み)


これなくして完成の状態に至らない、絵コンテ。

そこに「“君生き”の謎を解いていく」ってふうに読むのなら、

本のジャンルに “ミステリー” なんていえそうな気もする一冊。


  --- --- --- ---


amazonの販売ページにあった、

その中身を紹介してるページのところを開いてみると……。











ご本人の手描き文字になんて書かれているのか

すんなりと判別できないところが多々たたた~あってあってあって、

そこを飛ばしたくないので、なかなかページが進まない…( ̄▽ ̄;)


なので、今年読んだ村上春樹の長編のように、少しずつ

ゆっくりじっくりとページを進めてます。


  --- --- --- ---


鑑賞された皆さんは、どんな感想をお持ちになりましたか?


ここで遅まきながら、

(もう三か月も前の)劇場での鑑賞の感想みたいなのを以下に。


ちょっと長いです。

なので読み飛ばしてもいいですよ(ネタバレあり)。


 … … … … … … … …


上映が始まってから最初の方は物語の筋に追っかけやすい印象で

正直それに従うところがあったんですけど、その筋に段々と

抽象的なふうへの移ろいを感じて、そこからは筋を忘れるおぼえで、

シーンの連続をただただ感じるままに楽しみ、見終わったあと、

そこに宮崎駿の最新作の絵画の飾られた美術館に訪れたような

心持ちになりました。


終盤に主人公マヒトが大叔父からメッセージを託されるところが

あって、「ゆたかな美しい世界を作れ」って。

それは、マヒトを介して“君生き”の鑑賞者へ、広義に今を生きる

“君たち”へ託してる、まさにって思える調子で。

そこに、物語を完全な抽象画のようにしないための、って

感じなくもなくて……。


でも、それを気にしなくさせるくらい

アニメーションというものの表現力が勝ってるっておぼえに、

その制作に年月のかかった全編にわたる動き、動画表現。

カットによっては気味が悪くなるくらい動くんです。

その原画枚数に(ボツの枚数も含めたなら)きっととんでもなく

要ったはずの “君生き” (の動く絵画性)に、すごいなって。


鑑賞者を突け放さない程度の物語性をおさえておいて、

命の豊かさを感じさせるそんな動きのアニメーション

表現でもって生の大切さを、その意味を説く、

それがあってまた、全編にあれこれと深読みの楽しめる

(こともできる(そこに村上春樹のテイストを思わせる))、

そんなようと。


 … … … … … … … …


感想、以上。


  --- --- --- ---


現在80歳を超えてる(制作段階では70歳代の)宮崎駿さんによる、

めっちゃベテランの作画監督さんを置いててもすべてを任せない、

老いに劣らぬ創造する力、まだまだ元気なあかしって窺える

“君生き”。


  --- --- --- ---


宮崎駿さんより年上の筒井康隆さん、

文芸誌に作品を発表されてます(それをまとめて発売される

直近の短編集に“最後の”って謳われてますが。まぁコピーですから)。

横尾忠則さんも、絵画作品の制作に衰えの見られません。


その三人のお名前だけを挙げて述べるのもあれなんですけど、

でも、思うんです。日本が、世界が、老いも若きもよい意味で

線引きにない、色んな意味で素敵にアクティブに漲ればいいなって。


  --- --- --- ---


そんなふうを考えながら……ふと、突然

とあるSF映画を思い出してみたり。


どんなSF映画でしょう? それは……次回にします。

そんなに引っ張るほどでもないんですけど。


  --- --- --- ---


最後に、“君生き” 海外版の予告編。




17回目:今も褪せない、サブカル系の“古典”愉快漫画……

 

今年のゴールデンウィークもコロナに用心ですね。

新たな変異株も猛威をふるいそうな気配がして、恐い……。

今できる限りに努めるほかないですね、そこにとにかく続行です。


   〇   〇   〇


今回は懐かしいところのご紹介。

わたしがこの作家さんの漫画を読みつなぐきっかけとなった二冊。


   〇   〇   〇


















初版/昭和60年7月20日、780円税なし


リアルタイムではなかったけれど、

初めて読んだときの衝撃はかなりのものでした。

なにこの妙な愉快漫画!って感じで引き込まれました、

お話もそうですし、絵のタッチも。


今振り返るに、今回ご紹介するものが

「ガロ」系の作品を読み漁るきっかけになったともいえます。

つげさんやまださんみうらさん丸尾さん鴨沢さん

吉田さん蛭子さんひさうちさん川崎さんにそれから……。



収められた作品にどれも楽しいのですが、

中でも(↑)「こちら総務部秘密庶務課」がお気に入り。

大きな商談を平和的に成立させる、社内でもその課の存在に知られていない、

秘密庶務課のメンバーたちの活躍! 茶ばしら縁起担ぎ作戦にすてき過ぎ! 

“ミッションインポッシブル”ふうに実写映画化希望!


この本にはあの名作、実写化もされている、

通勤電車に満員の中での席取り対決を描いた「流星課長」が読めます。

すてきな作品です。YouTubeに動画がアップされてますね。


 ---  ---  ---


















初版/昭和62年3月3日、780円税なし



「御前しりとり合戦」、殿の前で真剣勝負なのです……、


8コマ漫画「侍の夏」

優勝賞品にSUN OIL^^
























久しぶりに初期デビュー当時の二冊に笑み、癒しを頂きました。

現在白泉社文庫として発売されていますが、

書店で見かけることは……ないかな……。

古書店やネットなどでよければお手にどうぞ。


   〇   〇   〇


しりあがり寿さんにこれもいいですよね、

動画に「ならべうた」シリーズ。どれもいいのですけど、

大河ドラマにあやかりピックアップに「徳川15代将軍」を。



この振りつけになめらかな動きがくせになる~っ


毎日をなめらかに参りましょう。


2回目:話題になっていたので観てみました「日本沈没2020」


湯浅正明監督の作品は嫌いじゃないので、 

特に森見原作の「四畳半神話大系」とか「夜は短し歩けよ乙女」とか、

クレヨンしんちゃんの映画で携わっている作品とか「ピンポン」とか。

今年は「映像研」がありましたね。


   〇   〇   〇


<予告編>


ネットフリックスで、全10話。

今年11月には劇場編集版として映画館でかかるようです。


   〇   〇   〇


9話までの色んな意味で容赦ない展開や演出の立て続けで、

そこまでがあっての最終話・10話目で、

「どんなことがあってもなにがなんでも生きることがこの上なく大切」

と説いてくる作品。


作品の題名通りのことが起こってしまうので、

最終話以外としていいでしょう、

登場人物らが想像だにしない目に遭う、

生死の表現に徹底して容赦のない展開が続きます。

観る人によっては力が要ることでしょう。


物語の上で日本が非常なあり得なさに陥っているわけですけど、

観ていくうちに、こう言わんとしているのね、と。それは、

“日本沈没”に等しい非常なことが現実でも起こっている、と。

作品を通して現実に対する悲惨さをも訴えていると、

そんな印象がしました。


今に制作されることにうなずけもする、そこのところに、

前回ご紹介の「ランド」にも通底という気がしました。