今年もぴちぴち跳ねる魚のような印象の……


実際は今年7月に発売だったんですけど、

ご紹介の鮮度に十分な新刊。


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「魚社会」panpanya

2021年8月4日初版発行 / 980円+税

帯もいつもどおりに読ませます。


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(↑) 犬の首につながれたロープのその先はどこなのか……











(↑) こんな電柱電線ロープウェイに乗ってみたい……


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収録された短編の中の、

製造に危ぶまれる菓子パン「カステラ風蒸しケーキ」その味を求めて

主人公が知的探求心でもって突き進んでいくそんな話(それも五話分)に、

好みの味を一途に求める思いっていうのが、

それは人によって食べ物でなくても別のなにかしらに置換できるそんな衝動に、

ぐっときました。


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毎度、時空に妙な世界へトリップできる、

日常を見る目に柔軟性を養ってくれる一冊です。


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本日、総理大臣に新しい方が選出されましたね、

どうかよい政治運びをお願いしたいところですが……。


季節の変わり目に(でなくてもいいですが)読みたい絵本……

 

もう季節に秋がきてますね、

ここ最近の夜はその季節の虫の音もあって、やんわりすずしい。


というわけで、

タイトルどおりにそんな一冊をご紹介。


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「はるとあき」 作/斉藤倫 作/うきまる 絵/吉田尚令

2019年5月22日初版発行、小学館より、1300円+税


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お話は、

擬人化された四つの季節、春、夏、秋、冬、のなかの

“はる” と “あき” の手紙を介した交流がやさしく描かれる、

といった具合。


絶対に出会えないお互いの、

それぞれに思いをはせるまなざしが

読者の心をあたたかくしてくれる絵本。


この絵本の帯にこうあります。間違いありません。








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出だしに、“はる” が目覚めるところから始まります。

そうして、“なつ” がやってくるところで

来年まで眠りにつこうとする “はる” が気づくのです、

“あき” に会ったことがない、と。そこで、

“あき” に手紙を書いてみよう、ということに。














その後に続く手紙のやりとりで、

お互いの素敵なところにあかりが灯されていきます。


絶対に出会えない宿命にある “はる” と “あき” なのですが、

だからこそ通じ合える関係性に絶対でもある、と読ませます。


おだやかでやわらかな画風が、

お話を、そして “はる” と “あき” をあたたかく包み込んでます。


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まさにお話と絵に相性よく出会った、

生きとし生けるものを全肯定する、

といった印象もおぼえる絵本に「はるとあき」。


書店やネットで購入可能と思いますので、

よければページをめくってみてください。

すてきな絵本です。


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ついこの前までほんと暑いと思ってたのに、

もう今年に瀬の気配が……まだ気が早いでしょうか。


コロナウイルス、まだまだ勢いがあります、

いいかげんおさまってくれますように。


今年の夏空をいつでも振り返れるように……


今月のある日の空を。











今年もじわりじわりと過ぎ去ろうとしている夏。

とはいっても、まだまだ暑いです。


“毎日が夏休み”そんな大島弓子さんの漫画タイトルみたいな、

夏にずっとの日々にならないものでしょうか……

(と、今年も同じことを思う)。


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暑い季節に聴きたくなる、メロディーに爽快な一曲に……



「BLUE COLOUR WORKER」


高橋幸宏さんのアルバム「音楽殺人」から、

細野晴臣さん作曲の、サンディーさんのバッキングコーラスにさわやかな、

クセになる音楽。


夏といえばSF(サイエンスフィクション)ですよね……

 

と思うんですけど、いかがでしょう?


暑い夏にうだるもあたたかい空気に包まれ “若返るような感覚” が

過去へタイムスリップ、タイムリープしてるのに似てません?

“時かけ” みたいにダッシュしてジャーーーーンプ!


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今回はそんなジャンルにすてきな漫画をご紹介。

未来へ思いっきりジャンプさせてくれます。


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「未来さん」新谷明弘

1998年9月4日初版発行/880円+税


「原始的な意識」が良くも悪くも法律で囲われるくらい、

結構激しく文明の進んでるそんな世界に暮らす大学生、

高橋亜鉛子(あえんこって名前に好感)の日常の物語。


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この世界で暮らす亜鉛子は、

(そのシステムを受け入れてる人に皆そうみたいです)

デジタル情報を直接脳で触れることができる存在。

攻殻機動隊のあれと同じですね。

(↓耳たぶにジャックをインです)











基本的に一話完結で読み切れる、全一巻。


ご先祖と出会う話、選挙に投票する話、

カレーを作る話、サッカー観戦の話、バイトする話、など、

どれも他愛無い話って感じですけど、ただし、

進んだ文明を下敷きにしてるところが味噌。


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話ごとに登場するテクノロジーにこんなふう。






亜鉛子の8代前のご先祖が

眠ってる冷凍睡眠装置








人による院と、電脳による院で

運ばれている政治




主要な風味の凝縮された

「万能ブロック」と、それを

数値設定で好みの味に

変えられる「専用調理家電」



「冷却装置付きの服

(冷却ファン付きジャケットの

進化版みたいな)」と、

家賃に高めですが夏に涼しい

「海中マンション」




地下鉄ならぬ、「地下航」






人間対ロボットによる

サッカーの試合






とてつもなく壊れにくい

ハードディスク







季節の空気(暖かい空気や冷たい空気)を保存できる

エアコンの進化系ともいえそうな装置に、

「土鍋型の “蓄熱機(冬に利用)”」と

「ペンギン型の “蓄冷機(夏に利用)”」





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といったふうにテクノロジーの進んでる日常にあって、

そこに反対する思想一派が活動しているのも常のよう。











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このような雰囲気の「未来さん」、どうでしょう。

古書店さんなどで手に入るとも思いますが、電子書籍でならすぐ。

よければ一読を。


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コロナ、状況にまだまだよくないですね……

用心にひきしめてまいりましょう。


夏にさわやか&細胞若やかアップ用セレクト

 

今の季節に限らなくてもいいんですけど、

個人的に心地よい曲を少し。


シンリズム「FUN!」


婦人倶楽部「旅とフェリー」


あっぷるぱい「カルピスソーダの夏」


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さわやか補給を大事にしてまいりましょう。