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「山と食欲と私」20巻……


小松原さんの地元は京都!

ということで

読後の感なの書き留めておこうかと。


「山と食欲と私」

2025年11月15日 初版 / 新潮社 / 660円+税


   *   *   *


ネタバレなの注意していただくとして


   /   /   /


最初にこれ ---------------------------------------


偶然にして運命的な出会い!っていうか遭遇?!っていうか、

鷹桑秀平!とのそれ!

とにかくそうなったわけで、今後の展開にどうなるんか……


次にこれ ---------------------------------------


とある山のテント場で、えらい暴風雨、

嵐のためテントに閉じ込められて過ごす24時間!!!

トイレの場所まで容易に行けない! なので、おしっこ我慢!!!

テント内で食べるあったかごはんが辛い状況を忘れさせてくれる~

からの、

そんな鮎美ちゃんが懐かしくする思い出話に

それ聞いてた小松原さんの台詞

「テント内で火気を使用した(食事の)エピソードなんて

 どうでもええねん トイレのとこ詳しく ン?」 

鬼冷静突っ込み!


そして、これ ---------------------------------------


小松原さんの、

その地元・京都へ鮎美ちゃん連れて実家帰省するお話。

京都駅(八条口)着いてからの二人の動線が気になるのって、

それ読者の中で思い当たる方いるはず。

で、

そう、小松原さんの実家へ向かうとこ。

大文字山望める鴨川デルタあたりからのコマ運びに

「地下鉄と嵐電を乗り継いで」ってあるから、

たぶん、

鴨川デルタに近い地下鉄の乗り場に

地下鉄烏丸線の“今出川”まで歩いて、

そこから乗って“烏丸御池”まで行って、

地下鉄東西線に乗り換えて“太秦天神川”で降車、

嵐山本線の“嵐電天神川”から嵐山方面に乗車したはず

(四条大宮方面やったら逆戻りになるし)、

そうして実家最寄りの駅に……


嵐電でふと思い出したのに、別の漫画なんですけど、

「舞妓さんちのまかないさん」その1巻に『おうちのカレー』の回、

キヨちゃんがお休みもらって“台所のおばちゃん・幸子さん”家へ

訪れるまでの道々に嵐電と嵐山本線の駅が登場してたわって。


小松原さんのお父さんがえらいいい味。


最後にこれ ---------------------------------------


あの大学生の男子とはそういった縁にこれからどうなるんか……

演奏の動画は誰が撮ってるんか……

最初にこれ、でも挙げてた、鷹桑秀平! のもそうで

連載追っかけてる人はその後の展開にご存じなんでしょうけど、

そうじゃないので次巻(2026年秋発売予定)待ち。


   *   *   *


20巻もよろしいお味でした。。。


「茄子(新装版・上下巻)」……


あけましておめでとうございます


   *   *   *


「茄子」新装版

上巻:2009年 1月23日 第1刷発行 / 講談社 / 667円(税別)

下巻:2009年 2月23日 第1刷発行 / 講談社 / 667円(税別)


どのお話にも “(ナス科ナス属の)茄子” が登場する、

そんな漫画の短編集


登場するキャラクターはお話ごとに異なってなくて、

キャラクターによってたびたび描かれる、そんな連作テイスト構成

日常風景的なのから、時代劇、SFもの、など、舞台設定に縦横


どのお話も、

説明の適当にそぎ落とされた、

状況に淡々と、刻々と進んでいくストーリータッチに、

小気味いいです


   *   *   *


茄子出てるとこに幾つか……


ほか、茄子の登場の仕方に、

長距離トラックの荷、江戸時代のご禁制ものとして、

それから、インドの地で木に育ってるとか、

お弁当用に作られたサラダや

中華料理屋さんのマーボ茄子とか、……


   *   *   *


上巻に収められてる「アンダルシアの夏(前後編)」と

下巻の一編「スーツケースの渡り鳥」は

アニメーション作品になってて、ご存じの方も


どちらも主人公に同じ1人のロードレーサーを軸としたお話

アニメ版2作品も、原作に沿ってそこに

オリジナル要素プラスの脚本に、人生の節、の切り取られた、

競技としてのそれだけじゃない“レース”に惹きつけられます


アニメ版の監督さんが

 “耳をすませば” や “ハウル” や “風立ちぬ” などの作画監督で

2作品ともジブリトーンにあるけど、制作はマッドハウス


そんなアニメ版の原作短編含めて「茄子」に宮﨑駿さんも絶賛


2003年に劇場公開された「茄子 アンダルシアの夏」

その予告編(YOUTUBEにあったのを)


「茄子 スーツケースの渡り鳥」は、OVA作品

どちらも良作でおすすめです / 「渡り鳥」に、観るといつもそう、

ペペとチョッチがカリオストロの城のルパンと次元に重なります。。。


「つくもごみ」……


「つくもごみ」

2025年 8月5日 初版発行 / 白泉社 / 1430円(税込み)


この作者におなじみの味わいがすてきな漫画の短編集。

デビューから10年の節目に、これまでと変わらない、

路上都市観察&考現学&サブカルテイスト。


   *   *   *


読後感に、

収められた短編の中から……


日本歩道橋株式会社(その詳細設定みたいなのなくて、

たぶん、歩道橋の導入検討先への営業&実際の設置、

アフターケア、など、と事業内容を想像してみたり)

そこに属してる主人公と一匹にいつものコンビが、

横断歩道のせいで利用されなくなった

一本の歩道橋を目にして、自社の未来を憂い

今一度歩道橋の魅力を再発信しようと試みる、


っていうのがあって、


その利用されなくなった歩道橋に対し、

上り下りのストレス緩和にベンチを備えた休憩スペースを増設、

そこでいっぷくする主人公が、回り道(歩道橋を利用)

したくなる動線をつくるのはどうかって発想し、


休憩スペースにキヨスク、自販機、公衆トイレを備えた

カフェ化へ拡大、

すると、立地に最高で土地代もゼロ、

テナント収入で工費もペイ、近隣住民の反応も上々、

その物珍しさも手伝って歩道橋上の複合商業施設として

話題にもなり、大型スーパーや図書館からの参入希望もあり、


って感じで展開していくお話なんですけど。


そのままいけば近い将来合理的な判断のもと

撤去となるはずだった一本の歩道橋が、そんなふうに

アレンジされて息を吹き返すの、魅力的です。


お話のモチーフとして登場する、歩道橋。

良いですよね、車道以外に鉄道線路をまたぐのなんかも。

階段を上(下)っていくのとか、なだらかな坂っぽいのとか、

螺旋を描いて上(下)っていくのとか、

それらの混合みたいなのとか、ほかにも。


目的の方向に道すがらあったなら、

そばに横断歩道見かけても利用する方です。

ちょっと高みに見晴らしを楽しみたくて。


なにかと直線的な(遠回り、回り道しない)動線に

なってしまいがちな世界だけど、

そう考えると、歩道橋って、

心持ちに余裕を計るバロメーター的存在とも。


利用すると、程度にどうあれ、気持ち上がります。


   *   *   *


収録された短編個々に関連するモチーフなどでにぎやかなカバー


   *   *   *


日本歩道橋株式会社のお話にもう一編あって、


歩道橋の上り下りの動線が横断歩道と比べてマイナス要素

(移動に面倒)であると眺めた主人公が、

「つまりマイナス(上り)× マイナス(下り)で

プラスになる筈!」ってそんな計算式を立てて、

マイナスが大きければそのぶんプラスも大きくなるって考えから、

歩道橋をめっちゃ高くして(10階建てのビルくらい)、そこに

「見えてくるものがある筈なのだ」と、

長い長い階段に息を切らしててっぺんまで上ってみたら……


っていうのが。


歩道橋を高くしたことですごくよくなった眺望、

その代わり、段数にものすごく増えた階段。

一段いちだん丁寧に描かれてる縦長のコマに感嘆。


そんな歩道橋が現実にあったなら上ってみたい。

展望タワーとか観覧車のてっぺんとかビルの屋上とか

ほかにも見晴らしいい場所ってあるけど、

“高い歩道橋” ってところが大事、

ならではの味わい。


前にご紹介の「趣都」そこで扱われてるテーマの一つに

“階段” そのお話と根底で通じてるっておぼえに、

階段にも色々あって構わない! 階段に自由を!

そんなシュプレヒコールの聞こえてきそうな、愉しさ。


   *   *   *


ほかの短編も、

めっちゃ高い歩道橋が普通に存在してるそんな

いつもの世界観に、そこで暮らしてる主人公の日常風景や

妙ちくりんな事象のあれこれに、愉しい。


現代美術家が描いた漫画 その3「ドンケデリコ」……


「ドンケデリコ」

1996年 9月30日 初版第1刷発行 / 作品社 / 1300円(税込み)


お一方に言わずと知れた現代美術家、そしてもうお一方に

1980年代に「Hanatarash(ハナタラシ)」からの

「BOREDOMS(ボアダムス)」さらに別名義の

バンドユニット&DJでひときわのミュージシャン、

そんなお二方がそれぞれ描いたものをFAXで送り合い

そうコラージュによって生まれた漫画


ドンケデリコ、

その言葉の意味に、この本にはこう説明あって、

「南米においてLSDを服用した際、どんくさくなる人の

精神性を表す」と


   *   *   *









幻覚剤で酩酊し呂律のまわってない、

そんなドンケデリコにそのとおりってヴィジョン

言葉とイメージの純粋性に交互の応酬、

邪念のない感情その流露っていえる、ページに次ぐページ


FAXの送受信にサイズが限られてると思うんですけど、

もしそのサイズがなかったなら……

ドキドキワクワクドキワクが止まらない


   *   *   *


書籍、というサイズにひとまず収まった、

壮大なお話のごく一部にも思える

「ドンケデリコ」


もし、仮に、万一、ページをめくる機会がありましたら、

お二人によるバンドユニット

「PUZZLE PUNKS(パズルパンクス)」

そのサウンドにミニマルでパンキッシュでコラージュなテイスト

それをBGMにしてみるとバッチリ


この本が出版された1996年リリースのアルバム


現代美術家が描いた漫画 その2「趣都」……


「趣都」

2025年 9月22日 第1刷発行 / 講談社 / 1980円(税込)


一言で、大好物。

ほんと楽し過ぎて、没入。

日頃しごとの忙しさにきぶんわる過ぎに、すごく癒し。


カバーを外した状態、その表と裏に、


“連載開始前スケッチ” がデザインされてます。


   *   *   *


都市(万人の日々の営み)を形成しその役割にあるもの・

意匠について、そのお話に大きくわけて三つの材に

“電柱” “日本橋・首都高” “階段” をピックアップ、

それぞれに見目だけでなく目には見えないデザイン性、

存在性を高尚に昇華させる、芸大の専門講義そのような

リズムにあって、ページをめくりめくりして見てるだけでも

それはそれはもううっとりな、作品。


動画に落とし込まれた「第一回」があったので。

(途中と終わりに漫画アプリの宣伝入ってます)



漫画なのですけど、表現形態にそうあるだけで、

だからそれは、一次的に、としておいて、味わうほどに

作者つまり画家山口さんのこれまで発表されてきた作品の

ありようと並行にある、っておぼえで、

その代表的な描出に緻密なコマなんて、魅入ります。


   *   *   *


これは個人的になんですけど書き留めておくと、

LIXIL出版(2021年で活動終了)から発行されてた

“🔗10+1” という書籍に、その主線だった

建築・都市工学にその論や批評に硬派な感だった内容を、

登場人物がやさしい砕きようでわかりみに導いてくれる、

そんな雰囲気にもあるかなって。


ともあれ、

普段見慣れた景観にあらためていとおしくなる、

そこへの関心、一通りではない捉え方をはぐくんでくれる、

手に取ってごらんあれ、とおすすめできる一冊。


現代美術家が描いた漫画 その1「ミュータント花子」……


「ミュータント花子」

1999年 8月15日 初版第1刷発行 / ABC出版 / 1200円+税


1997年私家版の、復刻版。

発行日に意図的なんでしょうね。


フランス版もあって、そちらはオールカラー。


裏表紙に……


以下に、あとがきからの抜粋。


……(「戦争画 RETURNS」について)

~そんな平和ボケの世代でも、平和ボケの代表として意識的に

過去の戦争を描けば、なにがしかの特殊な意義が生じるはずだと……


……(この漫画について)

~という目的の「戦争画 RETURNS」シリーズに、是非とも

組み込むべきだと思いました。そこには<戦争にすっかり

リアリティーを失っている>という世代的なリアリティーが、

捩れた形で深く刻印されているように思えたからです……


   *   *   *


このお話に、ざっとするなら、

天皇陛下から、同士純一と力を合わせて悪魔の国

アメリカを倒すのだ、と命を受けた主人公・花子が、

マッカーサーや敵兵からの極ひど仕打ちを受ける展開が

あってあってあって、からの、やがてそのときを迎えて

ミュータント花子として生まれ変わり、

勅命を果たす、といったぐあい。


極ひど仕打ち(花子だけじゃなくてその姉や純一にも)

そこの描写・表現にR指定の度に過過過激激激っていえる、

それはもう会田さんの本能に欲望にめいっぱい。


そんなあたりに、ほかのウェブサイト(古書店など)で

こんな感じですよっていうの、見かけません。

シーンに同じようなページの紹介が多くって、

そうでしょうね。


会田さんの作品(に通底するところ)をご存じの方なら

ほかのページに、あとがきにもあるその深く刻印されてる

捩れた形にどんなふうか想像に容易のことと……


生(命)、性、戦争、を材として、捩れに突き抜けてる

そんな表現に、絵の感じや描いているものなど目にしてると、

ふと、似てる感じあるかも、って、漫画家・根本敬さんの作品を、

そのアクの強さや猥雑さ、グロテスクさを思い出したり。


根本敬さんといえば、その方の有名な言葉に

「でも、やるんだよ!」があって、意味合いに、

自分の未来にどうなったとしてもなすべきことにひたむきとする、

なのですけど、それをこの漫画にもおぼえる、

そんな一冊に、猛烈って印象。


19巻に登頂。「山と食欲と私」……

 

遅まきながら読み終えました、19巻。


「山と食欲と私」

2025年1月15日 初版 / 新潮社 / 660円+税


読後の感に少しだけ書き留めておこうかと。


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ポットラックパーティー

(料理や飲み物の持ち寄り会みたいな)の回、

小松原さんの長台詞にその勝手に親戚のおばちゃん目線も

よかったけれど、この台詞に心中での衝撃!なのを

ピックアップ。

ササっと仕上げられた「いわしの蒲焼のひつまぶし茶漬け」に

“ぬおお~~っ逆にすごい” !からの

“飾り気がなく手軽でありながらセンスのいい工夫が効いてる

一番カッコいいやつやん” !

っていうの。まぁビカーッてまぶしいくらいのお二人が

作った山ごはんだもの。


連載を追っかけてなくていつも単行本で読んでるんですけど、

掲載誌ではどうなんでしょう、

あの大学生の男子とはなにか進展があったり?

そこ今後のポイント。


スケッチを始めたきっかけに西さんの言葉にほんとそう、

描きたいなら描こうよ!っていうの、そこだけ抜き出しても

ほかのことにだって十分当てはまるそんな直球の言葉だから

とっても強いし、あと、全力で肯定してくれる人がいるのも

心強い。山ごはんとともにこれも楽しみとして、

この先自分の思うままに自由な絵が増えていくのかなと。

個展、十分にあり得そうですね。


記事取材の案件に、

幽霊が住むと噂の避難小屋に泊まって闇鍋やってみた、

っていう、その肝試しと山ごはんの合わせ技の回、

オチにほんともう((;゚Д゚ ))!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


19巻にどのお話も

(鷹桑&砂井先輩に川下りアクティビティものでしたね)

たのしくいただきました。


装丁の感触。「そぞろ各地探訪」……

 

いつものテイストに、

それが手で触れられる形でも味わえる、

みたいな一冊。


「そぞろ各地探訪 panpanya旅行記集成」 

1月と7月 発行 / 2700円+税 / 昨年末に予約し購入


旅(の思い出)が概ね下敷きになってる漫画と読み物の

収められてる一冊。


   /    /    /


この各地探訪の記に根差してるのは、

作者の描く特徴にすっかり親しいっていえる、考現学🔗。


旅先で見かける看板、飲食物の包装や容器のデザイン、

旅館で売られてるグッズ、トンネル通路の壁の落書き、

カニカマその商品の種類と個々の味の徹底調査、など、


また、

多くの人が当たり前すぎて関心に希薄だったり

それすらなかったり、そんな場所や状況などを

題材にしたりお話に盛り込んだりするところにもそうで、


「寒くせず初詣に向かえる方法はないものか」と、

そこで地下鉄の改札を抜けて神社の目の前まで

地下道が通じてるという聞き耳から、その新宿にある

花園神社を目指して、北風が当たらないばかりか

空調の効いてる場所さえある、地下で繋がる通路に

広い空間を、どこかスキャンするかのように、迷い歩く、


みたいな、軽い思いつきに端を発するようなことも、

だからどうでもよいとせずに拾い上げる、そんな視点を

大切にサルベージして見せてくれてる感じに

楽しくもあり、深遠。


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旅先に実在する場所を取り上げながら、そこへ

架空のことをさも本当のように入れ込んでくる描出に、

別の世界線を旅してるようで、


京都を訪れるところなんて、

三十三間堂の敷地内に現在「三十三重の塔」が

2026年頃完成予定で建設中、なんてことが描かれてて、

スカイツリーに対抗するそれを拝んでみたい気も。


同じ作者の単行本「足摺り水族館」には

第二京都タワーが登場するお話がありましたね、これ。

※「足摺り水族館」(2018年10月15日発行/1650円)


各地探訪の一編に、伝書鳩を怪我させてしまい、

その怪我の治療にどうしたものかと考える主人公たちの、 

鳩だから、と、伊東のハトヤホテルへ湯治を目的に訪れる

ってお話、同じように散策&宿泊の気分で和む~。

ただし伊東から帰ってきてその締めくくりに、

うひゃーそうきたー、って感じですけれど。


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そう、述べておかなきゃいけないことに、装丁。

本としてのありように、一般的なリズムを

外してるってところ。


過去に連載の作品だけを一冊にまとめるんじゃなくて、

これまでに自費で出版してたそれぞれサイズの異なる

冊子も一緒にまとめる、合本ってスタイル。


読んでて、

話が変わるタイミングでページのサイズも変わる、


紙質も変わって、

装丁による味変とでもいえばいいのかな、

妙味が増すっていうか。


この装丁に、

このお話の集まりだからそうあるべき形になった、

それ以外の形にあり得ない、って印象。


そこのところに、ふと、夏目漱石「夢十夜」の第六夜を

思い出したり。

運慶は鑿を使って仁王の眉や鼻を作ってるんじゃなくて、

木に埋まってる眉や鼻を掘り出してるんだ、っていうのを。


以前の記事「週刊本6  本本堂未刊行図書目録 🔗

装丁デザインの数々にも、眉や鼻を掘り出してるだけ、

って思いもしたり。


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そんなわけで、

夏目漱石「夢十夜」原作の映画「ユメ十夜」を

また観たくなった、

「そぞろ各地探訪」読後の感に幾分でした。


「へび女」……


新年おめでとうございます。


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楳図パーフェクション!1「へび女」

2005年9月1日 初版第一刷発行 / 小学館 / 1143円+税


三作品収録、すべて“へび女”のお話。

収録されてる順に読み進めていく、と、

最後の作品のラストが最初の作品へつながるそんな構成、

自らのしっぽをくわえた輪っか状のウロボロスを想起させる、

“永遠であり不滅”の恐怖、その円環。


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いつ読んでもこころ鮮やかに戦慄。


「おろち」「まことちゃん」「わたしは真悟」、……


ほかのタイトルにもそう、みなさんと同じように、

読み続けてきました……


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まことちゃんの単行本、たとえばこの12巻に、

その表紙のおちゃめで、ポップでロックなこと!

かわいいですよね、まことちゃん。その、ある意味

“けがれのない無垢っぷり”にはなにかとあれですけど、

それはマコリンだけじゃない、お姉ちゃんも両親も

祖父母だってそう、常識なんて軽っと超えて、そこに

人を惹きつけてやまない怖いくらい強烈な刺激があって!

沢田家の一致団結したときなんてもう!日曜夕方6時台の

テレビアニメでお馴染み“国民的”として愛される家族像に

こちらだって!

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「奇蹟は 誰にでも 一度おきる

だが おきたことには 誰も気がつかない」

さとるとまりんを思い出すと涙が……

   /   /   /


読み返すたび胸奥に浮揚する、

それが生そして死への向きにひとかたならぬ純粋ゆえの、

人間の表裏描写にその醜さが、哀情のほどが、

憎悪に満ちた輝きが、……

それらが、美しい登場人物や黒く彩られた情景などに

極まり、読者に恐怖のかせを引きずらせる。


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ひとことで、偉大、なお方。


「逢沢りく(上下巻)」に、……


遅ればせながら。猫村さんは実写の観てました。



上下巻ともに:2014年10月25日 第一刷発行/1000円+税


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以下感想に長々しくなく。ネタバレみたいなのご容赦


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十四歳のりくに清澄のほどを読みました。


その蛇口をひねるかっこうでなく心底からの、

ひざをつきこらえきれぬ胸から声を上げ滂沱とする最後に、

泣きました。


お話の肝に、親せきの幼い子“時ちゃん”とのかけ合いに、

そのときだけは普段とかわって自身を発してるりく。

双方いつわりのないかけ合いに、それはもうなくてはならない

“時間”で、だからその役割に踏まえられた上で“時男”って

名前がつけられたものと。


そもそも、

りくの父親が会社のアルバイトの女性と不倫してる(そのこと知ってる)、

母親も(りくを関西へやってから)過去つき合ってた男性と会う、

(本文に借りるなら)“大人として間違った”そんな両親と

同じ屋根の下で暮らしてるんだから、そこに思春期ってのも加味に、

感覚に鋭敏となってしまう、蛇口をちょっとひねるように

涙を流せてしまえるのもそうでしょう。


転校先(大おばさん家)に、その、

ぼけとツッコミの常日頃にそんな喋りようのまんべんない環境、

ってところに、作者が関西の方、嵯峨美(京都の美大)出てるから、

実際に親しくある土地柄を設定したものと、いえ、設定などと

ネームに構えずとも自然に必然にそうなったのに違いないものと。

そこに、もし引っ越し先が別の土地柄だったならお話の雰囲気に

どうなってたかなと、“時ちゃん”の存在はおそらく不可欠として、

その異なる線に思いのよぎったり。

転校先だけでなく“両親と住まう地”もひっくるめて、

そこんところの、土地柄を読む、という風趣の作品とも。


楽しくないし嫌いとする運動に片思いされてるそんなりくの、

足の速いところが軽妙なアクセントといった感で。


「マンガ宝島(S57.3.1 発行)」その2……

 











(その当時のマンガ界を見渡し、また未来をも思う)マンガ評論も。


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たしかにニューウェーブとあった時代の、

個々の粒子の結合その構造に豊饒の織りなされた、

見好くうつくしい結晶。


「山と食欲と私」20巻……