こんな “マンガのレーベル” はもう発足されないのかも……

 

東京オリンピック、どうなるのでしょう。

とにかく、コロナにはまだまだ用心……。


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さて、前回ご紹介したマンガを手に、ふと、思い出しました。


いわゆる“ガロ系” であり 

“ニューウェイブ、サブカル系”(としてよいでしょう)の

漫画家の単行本を定期的に刊行していたレーベルがあったのを。


それは「カワデ・パーソナル・コミックス」というもの。

1980年代後半から始まったレーベル。


今回は、古書店で集めていたそのレーベルのなかから

この一冊をご紹介。


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カワデ・パーソナル・コミックス
「悲しき街角」近藤ようこ

1986年7月25日初版発行、850円。


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うしろの宣伝ページより。

「カワデ・パーソナル・コミックス」からの刊行に

このような(↓)ラインナップ。








これはまだ初期のラインナップ。

このあと更に単行本の刊行数に増えていくのです。

どれも表現に富んだ作品ばかり。

不条理、ファンタジー、偏執妄想、エキセントリック、

一筋縄ではいかない人間模様……。


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さて、ご紹介の一冊に、人間模様の部類となりましょう、

そんな短編に七本収録の作品集です。

最後の解説文に、あの “谷山浩子さん” が書いておられます。


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たとえば女子を主人公とした短編に、

彼女らが自身の置かれた状況の中で、

やがて迎える物語の終わりで「はたと」「もしや」と

そんなふうに気づく、自身を俯瞰するような面差しに宿る、

“悲しさ“ “寂しさ” “冷めた呆れ” “切なさ” といった感じが、

こちらの胸のうちに、なんていうか、

水面に一滴だけ落ちて波紋のゆったり広がっていくような印象。


そんな雰囲気の詰まってる一冊。











額に収めたいような、ゆったり波紋のコマ。


男子が主人公の一編(↓)に、

夜空であり宇宙に向かって、

世間体になんだよそれ、って抱く表現に好感です。







いかがですか?


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