「京都カーストは本当に存在するのか」……


買ってから随分と日が経ちましたけど、

ようやく、


「京都カーストは本当に存在するのか」

2025年 7月4日 第1版 / 

発行所:サンケイデザイン株式会社 / 1200円(税込み)


京都の本屋さんに大手「大垣書店」が “取次を控える” と、

つまり店頭に並べないと意味するコメントが公にあったのを知り、

どんな内容なのかなと、

著者に編集部の設けてる購入サイトから注文、


   /   /   /


本の構成にざっくりと、

最初に各行政区を擬人化したキャラクターの紹介、

それから序文ふうがあって、

「人口、面積、地価、など」それらデータを踏まえた

京都市や各行政区の俯瞰(府については僅少)、

そして、行政区一つひとつについてその区と

なにかしらの縁があるライターらの私見に11区分、

最後にむすび、


   ○   ○   ○


以下に読後感、


   *


もともと「禁断の京都カースト」というタイトルだったようで、

バッシング、炎上、そのほかの考慮もあって

おそらく現在のタイトルに変更されたものと

(それでも地元大手書店が取次を控えたわけですけど)、


むすびのところに、

「社会的包摂性の高い街にしてゆきたい」

:あらゆる人がその立場などに関係なく社会から

 排除されず平穏に平和に生きられる社会を目指す考え方)

それをこのタイトルを反語的に使い問いかけたかったと

あるのですけど、であれば、

各行政区について語る11人の私見では足りないような、


私見にはどうしても偏りが出てしまうから、

それにタイトルの強さから“我が区自慢”として

いやらしく見えてしまうような作用も感じられて、


もし私見を大切にするなら、それに

「社会的包摂性の高い街にしてゆきたい」としてるなら、

このタイトルが世にまかりとおるくらい、つまり

社会的包摂性を問いかけてることに広く浸透するよう

続巻を出していくことが、タイトルを反語的に

使ってる意味からも、大事、って、

そんな思いがして、


ただ本の帯にもあるように、

「京都愛に満ちた一冊!」と謳い

各行政区の擬人化キャラクターを飾ってる、

そんなわかりやすさを表紙の面に押し出してるところに、

この本が「娯楽本」なのは間違いなさそうで、


一通り読んでみて、

京都市そして市内行政区の成り立ちについて、また

京都検定クラスのあまり人に知られていないような

区の行事など知ることがあったりもして、


そういった、まだ知られていないようなことは

私見レベルでまだあるはず、だから

これ一冊で終わりとせず色んな方に語ってもらえると、

本当に存在するのか、そこのところに

あらゆる立場の人が包摂されていくように思うのですけど、


   ○   ○   ○


書籍の販売チャネルに今はあの手この手と考えられるから、

書店に取次の控えがあっても、こうして入手できてる、


取次を控える、そんな今回の状況に、

全国にあまたの書店が、新書に古本、書籍のジャンル、など、

取り扱う商品に関係なく、

単に売るためだけの箱ものでないことを

考えさせる機会でもあったように思う、


2 件のコメント:

  1. サウス さん


    へ~、面白い本ですね。表紙のデザインと帯のデザインの傾向が違うのもまた (^^)。

    ただやっぱり、書店さんが取り扱いを控える点がなかなか…。同じ内容の本があったとしても、東京ならそんな気遣いは全然されない気もしますし。

    大阪、京都、神戸って距離的には近いのにかなり文化やノリが違うようなイメージはあります。なんとなく京都はプライドが高い、大阪はフランク (合わない人には馴れ馴れしい) …みたいな。

    まあ結局は体感且つ統計的な物で、一対一で接するならその人がどんな人かでしかないんですけどね、当たり前ながら。

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    1. 335さんへ

      もとの表紙は飾り気を抑えたシンプルなデザインで、そこに帯は配色も
      キャラクターの絵も明るさがあり、対照的ですよね。
      このタイトルなのもあって、こういう帯を巻くことで本書への印象を
      和らげたかったのかなって想像がします。

      今は良くも悪くも色んな人の思いがSNSで広まってしまうから、今回の件は、
      地元大手書店にとって勇断だったように思えたりもします。
      東京神田などの大手書店なら気遣いなく客観的に取り扱ってそうですね。
      実際に店頭で並んでたりするのかな……。

      今回の本は、本当の京都人は洛中に住んでる人、みたいな目の根づき、
      気にする人はそうなんでしょうけど、そのような気質を材にして
      生まれたふうもあって。
      335さんの言われてるように、一対一で接する。そうですね、
      ほんと人(の考えや見解などに)それぞれって思います。

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