銀のエンゼルマークに二つ目。
普段の購入ペース(毎日は買わない)で、
はたしてどれくらいの日数で銀に5枚集められるのか、
はたまたそれまでに金のエンゼルが……引き続きトライです。
音楽のジャンルにその一つ。聴くことあって。
それで、その定義にどんなふうか忘れずにおきたくて、
簡単とした覚書を。あと、例としての動画と、
触れてみておぼえたあたりを。
以下に、個人的な関心から長々なので、
そこによろしければ……。
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ヴェイパーウェイブを特集した本や書籍が出てますけど、
ここではウィキをもとに。
( )の中はひとりごとみたいな
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1980~90年代の、大量消費社会について、また
その頃の文化や技術・テクノロジーについて、批評・風刺したり、
懐かしんだり、といった趣きのある音楽ジャンル。
(大量消費社会への批評その先駆ってあたりにアンディ・ウォーホルとか)
2000年代、その中頃あたりからネット上、動画共有サイトに登場。
最初は無価値な音源のつぎはぎで無価値な音源を再制作する、
というものだったそう。音のコラージュ、アーティスティックな感じ。
(無価値 → 過去に価値があったもの)を
(つぎはぎ → エディット性ある)作品に組み上げて、
(かつての消費社会に対し、批評、アイロニーに見る、など)。
(音のコラージュその雰囲気に、大竹伸朗の作品を想起させるような)
そのうち、1980年代のR&B、スムースジャズなどからのサンプリングで
耳に馴染みやすいものへ。
(なるほどこれはコラージュっぽい、って耳におぼえるふうだったのが、
音楽としての調子を取り出していった、と)
日本の1980年代の楽曲、シティ・ポップからサンプリングされたものもあり、
現在のシティ・ポップブームの下地にもなってる。
(かつての消費社会そのときに摂取されてた音楽に、ただ、年月を随分経た
今に「あのときイケてた音楽やったわぁ」と懐メロ扱いせず、
時流に揺らがないで「この音楽ずっと好き(エバーグリーン)」と
し続けてる方がこの世にあまたなのは間違いなくて)
(批評や風刺する上で用いる素材、って位置づけにそうなんでしょうけど、
Vaporwaveの音楽としての成熟(リスナーへの馴染んでもらいやすさ、とか)
に、サンプリングしてチル(心地よさ)を与えるのにシティ・ポップは、
その当時に生まれた音楽というだけじゃなくて、その完成度の高さに、
とても良質な素材(って言い方好きじゃないけど)にされてるものと)
(そうあって、懐かしさと同時に新鮮な響きともなって今に立ち現れ、
そこからシティ・ポップブームが起こり、でもあるのかな)
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具体的な例に。
当時のテクノロジーを懐かしむような、ニューエイジ感あるものに、
コラージュっぽくないあたりに、昨今の創作みたい。
年月を掘り下げて、今から13年前に作られてたのを。
アーティスト名に“MACINTOSH PLUS”、それは
ヴェイパーウェイブで知られた音楽家に「Vaktroid」
(読みに、ヴェクトロイド。アメリカの女性アーティスト)の別名義
次もVaktroidに “New Dreams Ltd.” って別名義による、
これは8年前の(13年前に発表されたものを再編集)、
日本のCMを素材にしたもの。
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現在のヴェイパーウェイブに、
サンプリング素材に施されるその特徴的なエフェクト処理
(ループだったりピッチを遅めるふうだったり)によって
かつての消費社会への批評性や1980~90年代にかけて
イケイケ(でいいんですよね)だった時代への郷愁を漂わせる、
そんなふうに仕上げられたサウンドトラックに、
個人的な感触で言うなら、ニューエイジふう味のもの
(ノンヴォーカルでインナートリップ、アンビエントっぽいの)に
聴きやすい。……けど、
なかには、
過去からの呪縛に絡め取られるそんな心地のわるさをおぼえるのが
あったりもして。
それは、端的にすると表層部分の、
ピッチを遅めて音を間延びさせるエフェクト処理なんかに、
ヴォーカルなどくぐもった調子でゆうれいっぽい響きに化けるふうで、
リズムもゆったりめで粘着っぽさをおぼえたりするから。
ヴェイパーウェイブの作り手に、
それはもうマッドサイエンティストとさえいえそうで、
サンプリングする素材にこもってる“搾取にあった消費社会への怨念”
それを音楽という姿形に変え今に蘇らせてる、って思えもし。
作りこまれてるので、こっちの世界へおいで、みたいに
誘ってくる力があって。酔ってるときなんか聴けないと思う、
サイケデリックにも通じてるようで。
ただ、呪縛ものといってるのも、
そこにはまる人には心地いいものって思います。
基本的に嫌いじゃありません。
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Vaporwave(ヴェイパーウェイブ)について、でした。
実写なら出演者で華やかになるとも思えたんですけど、
原作に絵としてでき上ったキャラクター性を極力崩さない方向で
というなら確かにアニメーション表現で話を起こしていくのが
もとに近しいありようで良好と。
個々のキャラクターに生動あるところを早く見たいです。
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「淡島百景」5巻
2024年5月21日 第一刷 / 990円
長い年月を経て、これに完結を迎えました。
最終巻を読み終えて、この先の淡島歌劇団に
想いを馳せずにはいられません。
これにつきる感です、
作中に出版されるノンフィクション本の舞台化で、
これまでの光の当たってこなかった暗部に澱みもひっくるめて
淡島歌劇学校そこに流れる血脈に真であることが試される、
決してやすく純粋に無垢とはいかない世界で、未来に永永。
それを客席から鑑賞する側も、演じる側に継がれていく血脈のほどに
もちろん伝わらないわけがなく、そこに同じく未来に永永と。
あとがきにも触れられています、その
現実の歌劇団で起きてしまったできごとの
どうしても思い出される本編にあって、
こうして描き切られたことに、創造することへの真摯をおぼえます。
未読の方がおられましたら、ぜひ。
心身に養生中、かたわらにあって気持ちに救われました、
今もページをめくればそうで、とってもなごむ既刊誌。
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表紙の「足摺海底館」、
離れて見る外観に突如として未来っぽい、
海中展望塔(中にある螺旋階段で海面下へ)。
「ワンダーJAPON」8号
2024年 1月24日 発売 / 1540円(税込み)
鉱山跡や廃墟、神社仏閣、公園、都築響一さん案件、など、
これまでどおり異空間スポットの紹介記事が詰まってます。
ループ魚道(魚の産卵や遡上のために作られた人工的な河川の道)を
網羅する特集記事なんてワンダージャポン(旧ジャパン)ならでは。
紹介されてる異空間スポットには住所が記載されてるのですけど、
グーグルマップでその場所へ間接的に飛んでストリートビュー確かめると
そこへ行った気分になれます、あったあった! って、楽しめます。
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前半の特集に、四国「高知、徳島」。
グーグルマップ(ブログに貼り付けるの頑張ってみました)で
間接的な旅行に、たとえば、
入り口の前にサメ!が寝転がってるレストランに……
このレストランの住所をグーグルマップで検索すると……
ストリートビューにサメいはる。
/
続いて、フィギュアといえば海洋堂の、
このかっぱ館の住所をグーグルマップで検索すると……
ストリートビューに、かっぱ館のまわりにもかっぱ ( ̄◇ ̄)
もう一か所、つたに浸食されてラピュタ感のある、
この喫茶店の住所をグーグルマップで検索すると……
ストリートビューの位置を変えたら蔦のない状態も楽しめます。
藁みのを被って「五穀豊穣、火の用心」って掛け声をして踊る人々へ
祝い水をかけて豊作や商売繁盛を祈るんだそう。
どれだけ文明が発展しても大切に守られてほしい文化です。
その保存、継承の重要性を広めるためにも、
この本の役割、存在ってめっちゃ大事。
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いつもこのジャポンには、
人の持つ創造性に、よろこびとおどろき、おそれなどをおぼえます、
ほんとう、人として自由なありようと、元気をあたえてくれます。
よろしければお手にどうぞ。
明るく前向きにアクティブに、そうして行ってきました、
京都市美術館開館90周年記念展に関連したイベントに。
「スペシャル対談 山田五郎 × 村上隆」(2024年4月26日)
ローソンチケットのお気に入り登録機能、
しっかり働いてくれました。
あの被り物の出で立ちで登場(会場どよめき)された村上隆さん、
ご自身の飾り立てにインパクトありありでした。
山田五郎さん、教養講座やアド街、ぶら美などで見るお姿にまんまや、って
そりゃそうやねんけどご本人なんやし、実際目にするなり
なんだか(* ̄▽ ̄)ヒャッホイ!って感じになりました。
お二方からパワーをいただいたような。
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ということで、およそ90分の内容に、ざっとこんな感じでした。
(こちらの脳都合・解釈が入ってますのであしからず)
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西洋フランス画壇で活躍した藤田嗣治もそうだったと例に挙げながら、
「なぜ村上隆は日本で嫌われるのか」と。
(藤田嗣治もその活躍当時嫌われていた。ご本人のパフォーマンスに対して
だけでなく、「西洋画には珍しい日本の面相筆を用いて描いてるだけやん」
って言われようで)
ほかの日本人アーティスト、草間彌生さん、奈良美智さん、杉本博司さん、などは
あまり嫌われていないのに。
↓
“オークション・サザビーズでの16億円落札”が大きな話題となり、
それを機に嫌儲主義の目から仇のようになってしまった。
(芸術とは儲けのものではない、って根付きのある日本)
↓
16億円で落札されたけれど、そもそも作家のもとには一円も入らない。
※落札された際はその額から幾らかを作家に支払うべき(と山田さん)。
↓
嫌儲からの流れで、「作品自体も村上隆本人が描いてないじゃないか、
運営してる会社のスタッフが手がけてる」との批判も。
↓
でもそれを言ったら古くは工房を構えスタッフを抱えて作品作ってた
ダヴィンチやミケランジェロはどないやねん(と山田さん)。
↓
現在の日本の芸術というものは、
明治期に工部・運輸省が外国から芸術/西洋画を“輸入”したことに始まる。
(そうして日本初の美術学校、工部美術学校、が創られた)
< 西洋画を輸入することの意味 >
その写実描写が「記録」に有用、その遠近法が「図面作成」に有用
↓
(工部美術学校廃校後、東京美術学校の誕生)
↓
日本の芸術の出自、その定義に曖昧さがある。
↓
日本に培われてきた歴史ある“日本画”には、西洋画のそれとは違った、
空間、奥行きを捉える表現があった。
↓
俵屋宗達、尾形光琳、与謝蕪村、円山応挙、曽我蕭白、伊藤若冲、など。
日本画の平面的な描写にあって、描かれたモチーフ(植物やら生き物やら
景色やら)に対し目線を動かし鑑賞することで、
そこから立ち現れてくる空間、奥行き。
↓
1980年代、「銀河鉄道999」そのほかアニメーション作品で
活躍されていたアニメーターの金田伊功(かなだよしのり)さんの
テクニック(平面的な描写)そこにとりわけ爆発の描き方に
日本画の表現との親和を見る。
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スーパーフラット、その概念の提唱。
↓
創作する作品に対して「アニメや漫画など日本のサブカルチャーを
芸術に利用している」といった見方がされている。
かつてアニメーション監督・富野由悠季(とみのよしゆき)さんとの
対談があったとき、そのあたりについてなにか言われやしないかと
どきどきした(と村上さん)。
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作品をつくる上で、ただサブカルチャーが目立つだけじゃない、
展覧会の催されるその土地ごとにそこではぐくまれた芸術に
ちなんだ作品づくりがなされている(と見る京セラ美術館館長)。
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たとえば、サンフランシスコの美術館で展示される作品には
ドナルド・トランプを想起させるような政治的な色合いが、
また、今回の展覧会では、これまでの村上作品にはなかった表現、
“金の箔押し”そこに京都(の絵師)にちなんだ作品の肌合いが見られる。
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今回の新作は、学生時分に京都への学習旅行(美術巡り)その経験が
反映されているものと。
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土地にちなんだ作品づくりには、その土地へ日数かけて滞在することが大事。
そのことを若い人に教えるけれど今一つぴんときていない(と村上さん)。
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これまで開催された個展の回数が日本よりも海外が多い事実に、
世界で活躍するには、海外とのコミュニケートが必要(その土地を知る上で)。
これからの芸大は、絵を描けることよりも、
英語(外国語)できる人(の教育)がとても大事なのではないか。
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「なぜ嫌われてしまうのか」に立ち戻り、
世界で活躍する日本人の例を挙げながら(俳優の真田広之さんとか)、
今後恐らく日本での自分の個展はもうやらない。
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それは、決して嫌儲主義に相対する“マネードリブン(金儲け主義)”
によるものではない。
対談の最後、山田さんから村上さんへの質問に、
「風神雷神の作品、なぜ俵屋宗達の風神雷神の位置とは逆なのか?」
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最初に思いついたイメージにその位置関係だった。
最終的に反転させるつもりだったけれど、
そうしたら思ってる感じではなかった。なので、
最初のイメージ、ニュアンスを大事にした。
「これからも、もっとたたかれてってほしい、いい意味で」と山田さん。
「日本での自分の個展は恐らくもう無い」と村上さん。
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どこかでおぼえのある内容も含んでいましたが、
直に見聞きできたことでなるほどふむふむと、
時間にあっという間のイベントでした。
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スペシャル対談の模様がYOUTUBEなどで公開されることがありましたら、
そちらに正しくご覧くださいますよう<(_ _)>