現代美術家が描いた漫画 その2「趣都」……


「趣都」

2025年 9月22日 第1刷発行 / 講談社 / 1980円(税込)


一言で、大好物。

ほんと楽し過ぎて、没入。

日頃しごとの忙しさにきぶんわる過ぎに、すごく癒し。


カバーを外した状態、その表と裏に、


“連載開始前スケッチ” がデザインされてます。


   *   *   *


都市(万人の日々の営み)を形成しその役割にあるもの・

意匠について、そのお話に大きくわけて三つの材に

“電柱” “日本橋・首都高” “階段” をピックアップ、

それぞれに見目だけでなく目には見えないデザイン性、

存在性を高尚に昇華させる、芸大の専門講義そのような

リズムにあって、ページをめくりめくりして見てるだけでも

それはそれはもううっとりな、作品。


動画に落とし込まれた「第一回」があったので。

(途中と終わりに漫画アプリの宣伝入ってます)



漫画なのですけど、表現形態にそうあるだけで、

だからそれは、一次的に、としておいて、味わうほどに

作者つまり画家山口さんのこれまで発表されてきた作品の

ありようと並行にある、っておぼえで、

その代表的な描出に緻密なコマなんて、魅入ります。


   *   *   *


これは個人的になんですけど書き留めておくと、

LIXIL出版(2021年で活動終了)から発行されてた

“🔗10+1” という書籍に、その主線だった

建築・都市工学にその論や批評に硬派な感だった内容を、

登場人物がやさしい砕きようでわかりみに導いてくれる、

そんな雰囲気にもあるかなって。


ともあれ、

普段見慣れた景観にあらためていとおしくなる、

そこへの関心、一通りではない捉え方をはぐくんでくれる、

手に取ってごらんあれ、とおすすめできる一冊。


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