
「ミュータント花子」
1999年 8月15日 初版第1刷発行 / ABC出版 / 1200円+税
1997年私家版の、復刻版。
発行日に意図的なんでしょうね。
フランス版もあって、そちらはオールカラー。
裏表紙に……

以下に、あとがきからの抜粋。
……(「戦争画 RETURNS」について)
~そんな平和ボケの世代でも、平和ボケの代表として意識的に
過去の戦争を描けば、なにがしかの特殊な意義が生じるはずだと……
……(この漫画について)
~という目的の「戦争画 RETURNS」シリーズに、是非とも
組み込むべきだと思いました。そこには<戦争にすっかり
リアリティーを失っている>という世代的なリアリティーが、
捩れた形で深く刻印されているように思えたからです……
* * *
このお話に、ざっとするなら、
天皇陛下から、同士純一と力を合わせて悪魔の国
アメリカを倒すのだ、と命を受けた主人公・花子が、
マッカーサーや敵兵からの極ひど仕打ちを受ける展開が
あってあってあって、からの、やがてそのときを迎えて
ミュータント花子として生まれ変わり、
勅命を果たす、といったぐあい。

極ひど仕打ち(花子だけじゃなくてその姉や純一にも)
そこの描写・表現にR指定の度に過過過激激激っていえる、
それはもう会田さんの本能に欲望にめいっぱい。
そんなあたりに、ほかのサイト(古書店など)で
こんな感じですよっていうの、見かけません。
シーンに同じようなページの紹介が多くって、
そうでしょうね。
会田さんの作品(に通底するところ)をご存じの方なら
ほかのページに、あとがきにもあるその深く刻印されてる
捩れた形にどんなふうか想像に容易のことと……

生(命)、性、戦争、を材として、
漫画という枠にあって道徳倫理の枠を大いにはたいてる表現に、
絵の感じや描いているものなど目にしてると、ふと
似てる感じあるかも、って、漫画家・根本敬さんの作品を、
そのアクの強さや猥雑さ、グロテスクさを思い出したり。
根本敬さんといえば、その方の有名な言葉に
「でも、やるんだよ!」があって、意味合いに、
自分の未来にどうなったとしてもなすべきことにひたむきとする、
なのですけど、それをこの漫画にもおぼえる、
そんな一冊に、猛烈って印象。
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