18回目:こんな “マンガのレーベル” はもう発足されないのかな……

 

東京オリンピック、どうなるのでしょう。

とにかく、コロナにはまだまだ用心……。


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さて、前回ご紹介したマンガを手に、ふと、思い出しました。


いわゆる“ガロ系” であり 

“ニューウェイブ、サブカル系”(としてよいでしょう)の

漫画家の単行本を定期的に刊行していたレーベルがあったのを。


それは「カワデ・パーソナル・コミックス」というもの。

1980年代後半から始まったレーベル。


今回は、古書店で集めていたそのレーベルのなかから

この一冊をご紹介。


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カワデ・パーソナル・コミックス
「悲しき街角」近藤ようこ

1986年7月25日初版発行、850円。


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うしろの宣伝ページより。

「カワデ・パーソナル・コミックス」からの刊行に

このような(↓)ラインナップ。








これはまだ初期のラインナップ。

このあと更に単行本の刊行数に増えていくのです。

どれも表現に富んだ作品ばかり。

不条理、ファンタジー、偏執妄想、エキセントリック、

一筋縄ではいかない人間模様……。


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さて、ご紹介の一冊に、人間模様の部類となりましょう、

そんな短編に七本収録の作品集です。

最後の解説文に、あの “谷山浩子さん” が書いておられます。


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たとえば女子を主人公とした短編に、

彼女らが自身の置かれた状況の中で、

やがて迎える物語の終わりで「はたと」「もしや」と

そんなふうに気づく、自身を俯瞰するような面差しに宿る、

“悲しさ“ “寂しさ” “冷めた呆れ” “切なさ” といった感じが、

こちらの胸のうちに、なんていうか、

水面に一滴だけ落ちて波紋のゆったり広がっていくような印象。


そんな雰囲気の詰まってる一冊。











額に収めたいような、ゆったり波紋のコマ。


男子が主人公の一編(↓)に、

夜空であり宇宙に向かって、

世間体になんだよそれ、って抱く表現に好感です。







いかがですか?


17回目:今も褪せないサブカル“古典”愉快漫画……

 

今年のゴールデンウィークもコロナに用心ですね。

新たな変異株も猛威をふるいそうな気配がして、恐い……。

今できる限りに努めるほかないですね、そこに続行です。


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今回は懐かしいところのご紹介。

この作家さんの漫画を読みつなぐきっかけとなった二冊。


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「エレキな春」

初版/昭和60年7月20日、780円税なし


リアルタイムではなかったけれど、

初めて読んだときの衝撃はかなりのものでした。

なにこの妙な愉快漫画!って感じで引き込まれました、

お話もそうですし、絵柄も。


今振り返るに、今回ご紹介するものが

「ガロ」系の作品を読み漁るきっかけになったともいえます。

つげさんやまださんみうらさん丸尾さん鴨沢さん根本さん

近藤さん吉田さん蛭子さんひさうちさん川崎さんにそれから……。



収められた作品にどれも楽しいのですが、

中でも(↑)「こちら総務部秘密庶務課」がお気に入り。

大きな商談を平和的に成立させる、社内でもその課の存在に知られていない、

秘密庶務課のメンバーたちの活躍! 茶ばしら縁起担ぎ作戦にすてき過ぎ! 

“ミッションインポッシブル”ふうに実写映画化希望!


この本にはあの名作、実写化もされている、

通勤電車に満員の中での席取り対決を描いた「流星課長」が読めます。

すてきな作品です。YouTubeに動画がアップされています。


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「おらあロココだ!」

初版/昭和62年3月3日、780円税なし



「御前しりとり合戦」、殿の前で真剣勝負……


8コマ漫画「侍の夏」

優勝賞品にSUN OIL、って
























久しぶりに読んだこの二冊に癒しをもらいました。

現在白泉社文庫として発売されていますが、

書店で見かけることは……ないかも。

古書店やネットなどでよければお手にどうぞ。


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しりあがり寿さんにこれもいいですよね、

動画に「ならべうた」シリーズ。どれもいいけれど、

現在のNHK大河ドラマを踏まえてこれを。


「しりあがり寿・ならべうた “徳川15代将軍”」


この振りつけになめらかな動きがくせになる~


毎日をなめらかに行きましょう。


16回目:忙しい時には「詩」が……

 

いっぷくの目にちょうどよいような気もします。


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「二十億光年の孤独」(文庫・616円)

「62のソネット + 36」(文庫・770円)


上の写真、アトムが写ってますよね、

昔のテレビアニメ「鉄腕アトム」の主題歌の作詞は谷川俊太郎さんです。

空をこえて~ららら星のかなた~♪のあれです。


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初期発表の詩には、個人的な印象に、

稲垣足穂のような宮沢賢治のような香りもします。

よければお手にどうぞ。


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谷川俊太郎さんの詩に知られた一篇に、

これ(↓)があるのではないでしょうか。テレビCMです。



「朝のリレー」谷川俊太郎

地球規模に宇宙規模にも素晴らしい詩です。


15回目:ついに発売されました……

 

まだ前半の章立てを追ってるとこですけど、

読みやすくて、確たる存在を改めて学ぶかのように、

入門書に応用テイストの感で読んでます。


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「YMO 1978 - 2043」

KADOKAWAより2021年3月12日、3960円で発売。


付録に小冊子(全トラックリスト)付き。


ノンフィクション書籍であり、

歴史書ともいえます、YMOの。


それ以前のメンバー各人の活動 ~ YMOの誕生 ~ 散開 ~

再結成 ~ 時を経てHASからのHASYMO ~

そして現在のYMO ~ (2043年)、という歴史の綴られた本書。


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1ページまた1ページとめくるたび、

その誕生する前から現在に至るまでの道のりを、

途中とちゅうで立ち寄るサービスステーションや道の駅で

その都度おすすめ品や名物品や隠れた一品などを

頂くような感じで味わってます。


その筋に詳しい方々には退屈な内容なのかも知れませんが、

浅い知識の身には読みごたえに十分。


YMOファンなら、そうでなくても、

ノンフィクションによくできた一冊として、

持っておきたいですね。


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ときおり無性に見たく聞きたくなります。



「Wild Ambitions」

14回目:2号も内容に充実です……

 

表紙からずばりの、

特集ページに“みちのく”への異空間旅行が味わえます。


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「ワンダーJAPON」2号

2021年2月10日発行、1400円+税










みちのく、ワンダーがいっぱいです。


中ほどからの特集ページに、

東日本大震災について忘却にやらないためにも、

今現在どうなっているのか知っておくべき内容になっています。


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ワンダーJAPONその発刊前にあった、ワンダーJAPAN。

そのテレビ版のことは以前のJAPON1号の記事でも触れましたが、

その一本がYOUTUBEに上がっているのを発見。


長崎の軍艦島の回です。


次号が待ち遠しい、ワンダーJAPON。