自分自身のありどころ……


こちらのブログにお越し頂いているみなさんへ

暑中お見舞い申し上げます


関西も梅雨が明けました、猛暑酷暑に無茶しない範囲にもちろんで、

肌身に夏の吸収を。


   〇   〇   〇


これ読んでみました。


ここは鴨川ゲーム製作所










「ここは鴨川ゲーム製作所」

1巻:2022年10月31日 初版第1刷発行 / 792円税込み

2巻:2024年3月2日 初版第1刷発行 / 990円税込み


ストーリーにざっくり……
















ゲームを作りたい、っていう主人公(の一人・ヨウ)の衝動から始まり、

その制作に集まった、こんなことがなければ繋がらなかったメンバーたち。


ゲーム制作にそうはうまくいかない、けど、だんだんよくなっていく、

そう日月の流れていくなかで、メンバーに一人ひとりの決してゲームではない

人生に、個々にたがえる事情から抱える心模様などがあって……

でもそれぞれに立ち止まることなく、やがてゲームの方もどうにか形となり

待望のリリースを迎え……。


    /   /   /
















この作品を描くのに参考とされた書籍や映画のリストが2巻末に載ってて、

それら参考文献のタイトルのなかに見られることば「ADHD」「発達障害」

「LGBT」「ハラスメント」、といった、日常からの理解にまだへだたりの

見えてならないそれらが、話に、登場人物の設定にあって、

絵柄に軽くあるんですけどそのぶん深く染み入ってくる触りで、

読者の感情移入その度合にも色濃いものと。


ゲームがリリースされて登場人物たちは顔を合わせるのに遠のくけど、

関係に切れることなく久しぶりに一同集まるシーンなんて、読んでる方も

ほっとする気分。親しい仲との再会に近況報告なんかほんとそうで、

なくてはならないシーン。


生きていくのにたやすくいかない、そんな現実に否応なく続くけど

そこへ救いを伸べてくれてる、って印象もする漫画。


    /   /   /


タイトルに略すと「ここ鴨」、ぜんぶひらがなにすると「ここかも」。

絶対にそこ、って感じじゃなくても、そんなふうな場所がある、って

思えるだけでも人は心強い。それは、実際の場所であっても、

目には見えない場所によりどころであっても。


そういえば、ブログに昨年末の、

奈良美智さんの個展にその図録タイトルに「ここから」でしたけど、

「ここかも」とも通じてるものがあるような気が……。


4 件のコメント:

  1. 暑中お見舞い申し上げます。
    暑い日が続きますね。
    人が生きていくには、心の拠り所があった方がいいですね。
    私はたまに神奈川のバーへお邪魔しますが、こうした仕事や私生活のしがらみのない、偶然に出会った仲間と楽しいひとときを過ごせる空間は、自分にとって励みにも、慰めにもなり、心の拠り所となっています。
    私の場合、「食の世界」が一番の心の拠り所かな。
    どんなことがあっても、その世界へ一歩踏み込めば、完全に自分の世界にハマり、夢中になって心が癒されますので(笑)

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    1. コウジ菌さんへ

      ほんとう連日の猛暑ですね。これからさらに一層の暑さを思うと…でも
      待ちに待った夏なのでこの季節を楽しむことも忘れずにって感じです。

      しがらみのない心身のよせどころに拝見するあのバー、ほんとうにそうと、
      訪れたことがないわたしにも伝わってます素敵な仲間と集えるところと。
      コウジ菌さんのブログから、ひとにとって生きる上で芯のところに
      食の世界そのよりどころにとても心強く見えます。そして、
      そんな食への探求に夢中でそうして癒されモードにあることも。

      普段になにげないことでも見方を変えたなら一歩踏み出せる世界、
      よりどころだったりするものと、そう考えたなら、誰にとっても
      この世が明るく見えるようになるって気がします。ただそれには
      心に楽しめて和み快くなれるようなそんなよりどころであることが
      大切と(少し難しいこと言ってるかも)……。

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  2. サウス さん


    学生さん達はもう夏休みの時期ですね、中学生の頃の部活を思い出す335です (^^)。

    私は子供の頃読んでいた漫画以外はそれほど漫画に詳しいとはとても言えないのですが、これは雑誌に連載…と言うよりもオリジナル的な作品なのでしょうか?

    ゲームを作りたい、バンドをやりたいと言う初期衝動に似ている部分を感じます。今思うと、懸命に取り組んでいたあの頃のエネルギーって自分でも恐ろしいと思う事があります。


    アクセル全開で車を走らせ続けるのは無理なのと同じですが、馬鹿みたいに夢中になれる物を見つけて全身全霊を注ぎ込む経験は人生においてとても大切で、何よりも自分自身の充実に繋がるのではないか…と。おじさんになった今でも思います。

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    1. 夏休みで授業がなくて普段と異なる学校での部活動、
      高気圧で明るい季節に色あせないかけがえのない思い出ですね。

      この作品は書き下ろしのオリジナルではなくて連載されてました。
      連載を追いかけてなくて単行本の存在を知っての購入でした。
      タイトルに見知った河川名が目に付いてそれと絵柄にも魅かれて
      手に取りました。

      たしかにバンドのそれとも似てますね、それに、ゲーム制作に
      一人ひとりの役割がバンドの構成にどこを担うかといったあたりも。
      もしかして335さんかつての部活動に軽音?ブラバン?

      ひたむきになれる経験にそれは人生を若やかにするものと、だから、
      状況もあるでしょうけど、可能な範囲でアクセルを離さずに
      いられるように……。

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