来月、12月3日と4日に地上波初放送なんですね……


同名タイトルの小説が原作の映画、

海炭市叙景」(12/3放送)、「オーバー・フェンス」(12/4放送)

(それぞれの内容はwikiで)。


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以前に一度きちんと読んでおこうと思ってそして読んだ、

その一冊を紹介。


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「佐藤泰志作品集」

2007年 10月9日 第一刷発行 / クレイン / 3300円+税


41歳という若さで自ら死を選んだ……作家、佐藤泰志

その代表的な創作の収められている一冊。


小説に「海炭市叙景」「移動動物園」「きみの鳥はうたえる」

「そこのみにて光輝く」など知られたタイトルと、ほかに、

詩、エッセイ、作者についての解説がまとめられています。


作家のやがて死へと至るそこまでに書き続けられた、

その軽やかとも思える文体に、だからこそ惹きつけられる、

若い登場人物を主とする、青春、性、生命に根の濃い作品群。


小説から特別に感じられる、“煩悶なくして人間ではあり得ない” と。


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なぜ、きちんと読んでおこうと思ったのか。


そのわけに、単純に読んでみたかったこともあるんですけど、

そう、どうしてこの方の作品が次々と映画化されるのか、

という興味関心からも。














「海炭市叙景」

「移動動物園」

「そこのみにて光輝く」


「星と蜜」







個人的に、この一冊を読んでみて感じた、

映画化・映像化されるわけに……


どの作品も、決して悪い意味でなく、

あまり見かけない設定というか感触がないところ

(有名な純文の賞に選ばれるのはそれがとがってる気がします)、

つまり、

「非常にわたしたちに近しく思える人間」が描かれているところ。


それは読者を共感させる力に強いといえ、

映像化されたなら人々の感覚に響きやすいいい形になるといえ

(上手に映像化されることが条件ですけど)、

そうなったら観る人は共感、胸を打つことに確定で、

そこのところに『 “映像化されるべき力” が内包されている』

そういえるんじゃないかと。


読んでみて、文章から絵が浮かびやすい。

シナリオを読んでいるふうにも感じられます。

たとえば小説を映像化するって授業があったとして、

そのテキストに最適といった印象も。


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テレビ放映されることで(地域限定での放送のようですが)、

それも地上波なので反響があるものと思います。

観る人によっては心底胸を打つことでしょう。


映画を観てから原作を読まれるのもよいと思います。

作家の生に触れる一冊に、よろしければ。


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そろそろ年の瀬でせわしなくなる時期、

コロナへの用心とともに、風邪を召さないよう参りましょう。


芸能ニュースに触れて思い出した漫画に……


今月1日、ジャニーズ関連で話題にあった「滝沢秀明」。

今はツイッターアカウントを開設し、これから「冒険家」として

活躍されるようで……響きいいですね、冒険家、って。

その意味合いに色々でしょう。思えば、人は誰しも冒険家、っていえます。

ふと、そのワードに、川口浩探検隊それから藤岡弘、探検隊が

浮かんできてしまった。滝沢秀明探検隊シリーズ、スタイリッシュにいけそう。


で、滝沢秀明といえば、ってことで思い出したのが、

主演で実写ドラマ化されたこの漫画。


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「西洋骨董洋菓子店」よしながふみ

2008年 6月 10日 初版発行 / 新書館 / 630円+税


単行本じゃなくて、文庫本の方。

携行して読んでました。


もとから細かい線文字とか文庫本版でさらに縮小されてますが、

でも読めなくはない。拡大鏡があれば読みやすいでしょうが。


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この作品の概要に“ウィキ”を見て頂くとして、


久しぶりに読み返してみて、このふうていのメンツのそろい踏みに、

若、小野、エイジ、千影、を見たなら、“実写ドラマ”化したいとする

気持ちにくみ取れる。キャラクターの線に大事、とおぼえる漫画。


とりあえず、千影さんを。







ギャルソンの影














泣いてる影













店員の宝、
ギャルソンの鏡の影








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アニメ化もされてますが、

実写ドラマの方が印象に残ってます。


実写ドラマ化にあたり、エッセンスにテレビとして使えるところの

抽出されたシナリオでしたがそこに悪くなかったし、配役も悪くなかった、

また、演出もよかったし、ドラマづくりに大切な音楽、ドラマ中に使用された

楽曲がミスチルにオンリーでそれがうまくあいまってよかったところが、

印象に残ってるわけと。


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世間に「滝沢秀明」の話題からの、再読でした。

ドラマも再観してみようか。


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コロナ、第8波……収拾しそうでまだまだそうはいかない……

作為的なものを感じてしまいたくなるような……。


疲れてる時はやっぱり現実逃避薬が必要……

 

ですよね。ということで。


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「模型の町」panpanya

2022年 10月 5日 初版発行 / 白泉社  980円+税


この描き手さんのマンガを読んでると、ほんと、

登場人物の住んでる町・その世界に引っ越して暮らしたい、

って思ってしまう(やっぱり疲れてる、ってことか)。


およそ年一の周期で現世に現れる、

出版物に単行本という形態を取ったもう一つの世界線、みたいな。


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この新刊に、いつもの妙加減にもちろんのこと、

ワンダーJAPON(旧JAPAN)的な、

タモリ倶楽部にあった企画ネタみたいな、

そんな感じのところに健在で、惹かれます。






タコ滑り台、ワンダーです。






コンクリートブロックの意匠、
タモリ倶楽部でもありました。






ガードレールの意匠、
現実にも色々ありそうです。









マンホールカードについて
ヤフオクで調べたら、大阪吹田市の、
その1枚の売値に今現在35800円?!








タモリ倶楽部の企画にありましたね、
森ビルの巨大都市模型。あれって
一般に非公開なのが残念。





もし、この作品が映像化されたなら、

動きを伴った世界観が見られるわけだから、

うれしいことこのうえなしです。


背景は3D・CGIで構築、

キャラクターは2Dでそれも手描き線で表現、みたいな。


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いつもどおりの雰囲気に楽しいこの新刊、

よろしければお手もとにいかがでしょう。


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新型コロナ、どうなんでしょう……

なかなか心配にやみません。

間もなく迎える冬に、インフルエンザにも注意です。


今年の八月が、やがて夏が、終わってしまうってことで……

 

今年も、過ごした夏を振り返れるような、そんな空の写真を。










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空といえば、今はコロナの状況もあって

航空会社のテレビCMを見かけない印象がします。


毎年夏を迎える手前になると、

「あったかいところでバカンス、海いかがですか」みたいなテレビCM、

ずいぶん流れてた記憶があるんですけど。


いつかまた、

そんなしずる感あるテレビCMが流れることを祈って……

過去に流れてたテレビCMを、夏の雰囲気を貼ってみます。



「1988年、ANA 夏の沖縄キャンペーンCM」

男子二人を従えた女性芸人いましたよね、その元祖みたいな。

音楽は、稲垣潤一さんの「サザンクロス」



「2000年、ANA 夏の沖縄キャンペーンCM」

音楽は、MONDO GROSSO の「LIFE feat.bird」


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まだ暑くて汗ばむような陽気ですが、

季節に寒くなる前の準備に、陽に暖められた空気を

全身に取り入れておきましょう。


いつ映像化されるんでしょうねこれって……

 

そう思ってたりするんですけど、この漫画に。

もしされたなら、個人的に実写として観てみたい。

群像ものですから、出演者で華やかになりそうです。


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「淡島百景」4巻

2022年8月30日 第一刷 / 太田出版 800円


最新刊に4巻、やっと出ました。


あとがきにもそのことがありますけど、

これまで一巻ずつ出るごとにその間合いが二年、三年ってふうで、

ほんと読者待たせ。それでも待つんですけどね。


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淡島歌劇学校を舞台に、そこの生徒である予科生に本科生、

そして卒業生に個々のキャラクターを各話ピックアップして読ませる、

そんな群像もの。


お話に描かれる、夢や憧れ、抱える人間関係。

“淡島歌劇学校にまつわる”という大枠・物語上の設定はありますけど、

現実の世界に置き換えられる調子で読めます。


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なにも描かれていないように見えて、

脳内に絵が炙り出されてくるようなコマ運び。

漫画の技法のひとつですけど、

それがとてもしっくりくる。


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次の5巻で終わってしまうのはほんとうに残念なんですけど、

その発売に待ち遠しくある「淡島百景」、

1巻から一読におすすめです。