連載を読み終えました。……

 

文芸誌「新潮」の。












「ぼくはあと何回、満月を見るだろう」坂本龍一


この2023年2月号をもって最終回なんて……。








第1回から最終回にかけて、

ここ近年のことを振り返ってみる、そんな内容でしたけど、

もちろんといえましょう、それより過去に話の及ぶことも。

音楽・芸術活動のことをおもに、

世情に政治経済、9.11、原発、震災、コロナ禍、

それからご自身の病状にともなう心身について、さらに、

両親のこと、ひとりの父親として家族のこと、など、

公にできる範囲でしょうけれど、語られていました。


   〇   〇   〇


連載に最終回最後の段に、

「今後も命が続く限り音に触れ、

 新たな音楽を作り続けていくことでしょう」

とありましたので、その新たな音楽に

世界中のファンが触れられることは大いに喜びです。


今年2023年の誕生日1/17に発売されました、

日記のように(一日1曲)創作されたという12曲入りの

新しいアルバム。その次に新しい音楽を待ちたいと思います。


   〇   〇   〇


今回の連載は間違いなく単行本化されると思いますが、

もしかすると、そこにさらなる日々の近景が追加される形で

一冊になるのかもしれません。


文芸誌のバックナンバーを入手するのは大変だと思いますので、

単行本が出た際は、お読みになってみてください。


本当にたくさんのいい曲を遺されました。……

 

どれが好きかって問いに挙げれば多々なんですが、

個人的に直近で暖を取るように聞いていたこの曲なんて。


せつなで、あたたかな季節を呼び起こしてくれる、

そんな曲調にそこへのせる歌詞とそれにあいまったユキヒロの歌声に、

今により切なく泣けてもき。


「WATERMELON」高橋幸宏, 東京スカパラダイスオーケストラ

作詞に高野寛、作曲に高橋幸宏&スカパラ。

共作にこれぞといえる布陣。


色んなミュージシャンとの演奏・セッションに似合う方だったと。


   〇   〇   〇


ご本人に主演の映画もありました。

「四月の魚  POISSON D'AVRIL」監督・大林宣彦(1986年公開)

その映画の冒頭。




曲調にヨーロピアンスタイル、耳に流麗な一曲。


   〇   〇   〇


いつまでもこのような曲にめぐまれる世界であってほしい。


来月、12月3日と4日に地上波初放送なんですね……


同名タイトルの小説が原作の映画、

海炭市叙景」(12/3放送)、「オーバー・フェンス」(12/4放送)

(それぞれの内容はwikiで)。


   〇   〇   〇

 

以前に一度きちんと読んでおこうと思ってそして読んだ、

その一冊を紹介。


   〇   〇   〇












「佐藤泰志作品集」

2007年 10月9日 第一刷発行 / クレイン / 3300円+税


41歳という若さで自ら死を選んだ……作家、佐藤泰志

その代表的な創作の収められている一冊。


小説に「海炭市叙景」「移動動物園」「きみの鳥はうたえる」

「そこのみにて光輝く」など知られたタイトルと、ほかに、

詩、エッセイ、作者についての解説がまとめられています。


作家のやがて死へと至るそこまでに書き続けられた、

その軽やかとも思える文体に、だからこそ惹きつけられる、

若い登場人物を主とする、青春、性、生命に根の濃い作品群。


小説から特別に感じられる、“煩悶なくして人間ではあり得ない” と。


   〇   〇   〇


なぜ、きちんと読んでおこうと思ったのか。


そのわけに、単純に読んでみたかったこともあるんですけど、

そう、どうしてこの方の作品が次々と映画化されるのか、

という興味関心からも。














「海炭市叙景」

「移動動物園」

「そこのみにて光輝く」


「星と蜜」







個人的に、この一冊を読んでみて感じた、

映画化・映像化されるわけに……


どの作品も、決して悪い意味でなく、

あまり見かけない設定というか感触がないところ

(有名な純文の賞に選ばれるのはそれがとがってる気がします)、

つまり、

「非常にわたしたちに近しく思える人間」が描かれているところ。


それは読者を共感させる力に強いといえ、

映像化されたなら人々の感覚に響きやすいいい形になるといえ

(上手に映像化されることが条件ですけど)、

そうなったら観る人は共感、胸を打つことに確定で、

そこのところに『 “映像化されるべき力” が内包されている』

そういえるんじゃないかと。


読んでみて、文章から絵が浮かびやすい。

シナリオを読んでいるふうにも感じられます。

たとえば小説を映像化するって授業があったとして、

そのテキストに最適といった印象も。


   〇   〇   〇


テレビ放映されることで(地域限定での放送のようですが)、

それも地上波なので反響があるものと思います。

観る人によっては心底胸を打つことでしょう。


映画を観てから原作を読まれるのもよいと思います。

作家の生に触れる一冊に、よろしければ。


-----------------------------------------

-----------------------------------------

-----------------------------------------


そろそろ年の瀬でせわしなくなる時期、

コロナへの用心とともに、風邪を召さないよう参りましょう。


芸能ニュースに触れて思い出した漫画に……


今月1日、ジャニーズ関連で話題にあった「滝沢秀明」。

今はツイッターアカウントを開設し、これから「冒険家」として

活躍されるようで……響きいいですね、冒険家、って。

その意味合いに色々でしょう。思えば、人は誰しも冒険家、っていえます。

ふと、そのワードに、川口浩探検隊それから藤岡弘、探検隊が

浮かんできてしまった。滝沢秀明探検隊シリーズ、スタイリッシュにいけそう。


で、滝沢秀明といえば、ってことで思い出したのが、

主演で実写ドラマ化されたこの漫画。


   〇   〇   〇











「西洋骨董洋菓子店」よしながふみ

2008年 6月 10日 初版発行 / 新書館 / 630円+税


単行本じゃなくて、文庫本の方。

携行して読んでました。


もとから細かい線文字とか文庫本版でさらに縮小されてますが、

でも読めなくはない。拡大鏡があれば読みやすいでしょうが。


   〇   〇   〇


この作品の概要に“ウィキ”を見て頂くとして、


久しぶりに読み返してみて、このふうていのメンツのそろい踏みに、

若、小野、エイジ、千影、を見たなら、“実写ドラマ”化したいとする

気持ちにくみ取れる。キャラクターの線に大事、とおぼえる漫画。


とりあえず、千影さんを。







ギャルソンの影














泣いてる影













店員の宝、
ギャルソンの鏡の影








   〇   〇   〇


アニメ化もされてますが、

実写ドラマの方が印象に残ってます。


実写ドラマ化にあたり、エッセンスにテレビとして使えるところの

抽出されたシナリオでしたがそこに悪くなかったし、配役も悪くなかった、

また、演出もよかったし、ドラマづくりに大切な音楽、ドラマ中に使用された

楽曲がミスチルにオンリーでそれがうまくあいまってよかったところが、

印象に残ってるわけと。


   〇   〇   〇


世間に「滝沢秀明」の話題からの、再読でした。

ドラマも再観してみようか。


-----------------------------------------

-----------------------------------------

-----------------------------------------


コロナ、第8波……収拾しそうでまだまだそうはいかない……

作為的なものを感じてしまいたくなるような……。


疲れてる時はやっぱり現実逃避薬が必要……

 

ですよね。ということで。


   〇   〇   〇












「模型の町」panpanya

2022年 10月 5日 初版発行 / 白泉社  980円+税


この描き手さんのマンガを読んでると、ほんと、

登場人物の住んでる町・その世界に引っ越して暮らしたい、

って思ってしまう(やっぱり疲れてる、ってことか)。


およそ年一の周期で現世に現れる、

出版物に単行本という形態を取ったもう一つの世界線、みたいな。


   〇   〇   〇


この新刊に、いつもの妙加減にもちろんのこと、

ワンダーJAPON(旧JAPAN)的な、

タモリ倶楽部にあった企画ネタみたいな、

そんな感じのところに健在で、惹かれます。






タコ滑り台、ワンダーです。






コンクリートブロックの意匠、
タモリ倶楽部でもありました。






ガードレールの意匠、
現実にも色々ありそうです。









マンホールカードについて
ヤフオクで調べたら、大阪吹田市の、
その1枚の売値に今現在35800円?!








タモリ倶楽部の企画にありましたね、
森ビルの巨大都市模型。あれって
一般に非公開なのが残念。





もし、この作品が映像化されたなら、

動きを伴った世界観が見られるわけだから、

うれしいことこのうえなしです。


背景は3D・CGIで構築、

キャラクターは2Dでそれも手描き線で表現、みたいな。


   〇   〇   〇


いつもどおりの雰囲気に楽しいこの新刊、

よろしければお手もとにいかがでしょう。


-----------------------------------------

-----------------------------------------

-----------------------------------------


新型コロナ、どうなんでしょう……

なかなか心配にやみません。

間もなく迎える冬に、インフルエンザにも注意です。